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2014年10月09日

講座の後半…障害者の就労と雇用を支援する人のための研修2014

こんにちは。ジョブコーチ事業担当の山野です。

ジョブコーチ養成研修三日目。受講の皆さん全員参加で始まりました。
まずは、「ナカポツ」と福祉関係者が呼ぶ障害者就業・生活支援センターであるだんだんの加藤センター長から、地域の就労支援活動についてお話を伺いました。障害のある人の就労支援の要となる機関。

三日目第二講座は、「恩送り」を合言葉に活動するNPO法人タートルの下堂薗さんに中途視覚障害者の就労支援を続けられてきた中で事例を中心に、当事者でもある立場からお話をしていただきました。
見えにくくなっている人たちに対するロービジョンケアが数年前から意欲のある眼科で始まっているそうで、例えば、一行ずつ読むために厚紙を使ったり、青色や黄色を通してものを見たりという工夫で見えにくさが軽減されるそうです。同時に、心理的なリカバリーにも効果があることが示されたそうですが、受容がいつできるかがやはり大きな問題だとおっしゃいました。
視覚障害者は音声パソコンを使った就労が進めやすいのですが、機密事項が入っているグループウェアを使っている会社だと手が出ないため、そういう時は、本体のシステムを管理をする請負業者の協力を取り付けて行くことが大切というお話も。実はエヌポケットが弱視の方の就労支援を行ったとき、これと同様のケースがあって音声ソフトが使えず、断念したことがあります。実に、ふむふむおすましのお話でした。

三日目最後の講座は、発達障害について。講師はN-PocketがATACでお世話になった香川大の坂井先生
予想通り受講生笑い多しでしたニコニコ。「発達性協調運動障害」の説明では、ワークも取り入れ、坂井ワールド全開びっくり
コミュニケーション能力のある方がない方に合わせる、視覚的に肯定的に伝える、「本人の力」×「支援とツール」×「周囲の理解」のどこかゼロだと力が発揮できない…といったポイントを始め、100分間使ってたっぷり勉強できました。

坂井先生が紹介していた本「自閉症スペクトラムなど発達障害がある人とのコミュニケーションのための10のコツ」はこちら
先生のコラム『わかるように伝えていますか』は、NPO法人サンフェイスのサイトで読めます。

四日目の最初は、大阪精神障害者就労支援ネットワークの茂木さん。精神障害者の特性と職業的課題について。
精神障害の人にとっての“車椅子”は「安心感」「人から大切と思われること、必要と思われること」 という喩によって、精神障害の人にとって何が大切かのイメージが定着し、その後のお話が理解しやすくなりました。

法定雇用率は現在身体と知的の障害がある方がカウント対象。(現在精神は、身体、知的と”みなして”カウントされている)。平成30年からは精神障害のある人もカウント対象になり、さらに精神障害の人の雇用について法的なバックアップが強化されます。就労は、まさに「人から必要とされる」という車椅子を得ることを意味するのです。
さて、説得力のある数字も紹介されました。精神障害者の就労継続で12ヶ月の在職率を見ると、障害を開示し、適応するためのアドバイスがされた場合、70.1%の人が就労が継続できているんだそうです。一般求人の枠で入って障害を開示せず、アドバイスも受けない状態の人は、22.9%しか継続していないと。ジョブコーチを積極的に活用できる環境が整っていれば就労も継続しやすい、ということになりますね。

そして、精神障害のある人が就労を継続するよう支援するときのポイント。①何に不安を感じているかしっかり聞き取り、知ること。②今後起こりうることを考えておく、見立て。③不安を解決するために必要な情報、みたてを立てるために必要な情報、ということです。頭にいれておきましょう。

次の講座は、今回受講希望者最多でした。発達障害のある女性の当事者が講師だったのです。彼女と初めて会った時、見事なまでに自分の就労環境・問題を分析され、とてもわかりやすく理路整然と話を聞かせてくれました。その時、ジョブコーチ研修の講師として、絶対お願いしたいびっくりと頼んでおいた方だったのです。

さて、四日目の食後の講座には、グループワークを組み込んでおきました。眠さを避ける意味もあり、、、睡眠
内容は、ジョブコーチが依頼されるシーンで、アセスメントの一場面をパワポイントの仮想舞台を使って再現しました。画面に合わせ、現役ジョブコーチが声優になりきって実演キラキラ
仮の場面設定ですが、そのジョブコーチの対応にどんな問題があったのか、30分間いい点悪い点、気になった点についてグループ内討議をしてもらいました。その発表内容はキメが細かく、思わず受講者から拍手が続出しましたよ。
気になったポイントとして、「時々見に来ます」など曖昧な言い方をしてる、YesNoの返事しか聞き出せない質問の仕方の是非など、突込みガーンが入りました。なかなか興味深いワークとなりました。

その後の講座は、改正障害者雇用促進法に基づく差別禁止・合理的配慮に関する指針の在り方に関する研究会のメンバーでもいらっしゃる育成会の小出さんに、報告書の内容に触れていただき、その中でジョブコーチができること、ジョブコーチに期待されることのお話がありました。サポートファイルの活用も提案頂きました。

この日、最後の講座は、浜松特別支援学校の鈴木先生から、特別支援学校の取り組みを、写真も見せていただきながら、説明していただきました。一般就労した卒業生のアフターケアは、電話や訪問を時期を決めて行っていらっしゃるとのこと。

最終日となる五日目は、午前午後連続の講座。たかはま障がい者支援センターの小松さんから、ジョブコーチ支援の実際を、概論から始め、アセスメントとジョブマッチング、集中支援、ナチュラルサポートとフォローアップという段階に分けて、時折ワークも交え、お話していただきました。必要な情報が何かを知り、今わかっていること、わからないことについて整理されていることが大切。「ジョブコーチがいるから大丈夫」から「ジョブコーチがいなくても大丈夫」に移行していく。当たり前のことを実現するために私たち一人ひとりが自分の役割をはたす。伝えられる言葉が、沁みます、、、

そして、この研修の最後は、水耕栽培を手掛けるクローバー京丸園株式会社代表取締役の鈴木さん。障害者雇用のきっかけ、それまでの障害者が働くことについてのご自身が持っていたイメージ、雇用してみてからの変化。業績UP上昇、、、などなど、とっても元気のでるお話でした。

講師、受講生の皆様のご協力のもと、無事五日間の研修を終えることができました。
ありがとうございました。バイバイ


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