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2012年11月27日
NPOの全国会議もろもろ
事務局長の小林です。
先週は、助成金申請の荒波を乗り切り、東京へ出張してきました。
1)民間NPO支援センター・将来を展望する会(CEO会議)
日本NPOセンターの主催で、全国26都道県のNPOセンターから40人が参加。今回のテーマは認定法人と「新しい公共」支援事業でした。
分科会は①研修、②市民ファンド、③マルチステークホルダーの3つに分かれて意見交換。
「研修」は、NPO法人が4万を超える時代になり、合併や解散の研修もそろそろ必要という話と、法人の「科料」に盛り上がる。法務局の登記変更の遅れで科料(罰金)を科された団体がいくつも!
「市民ファンド」は、5つのファンドで様々な形態でお金を集める工夫について報告。新しい公共支援事業終了後、運営費とファンドレイザーをどう確保するかが大きな共通課題。
「マルチステークホルダー」では、高齢化していく地域の中で、どう地縁団体とつながっていくかが話題に。既存の組織として社協の役割は? という議論もありました。
2)NPO法人会計基準の普及フォーラム
NPO法人会計基準協議会の主催で、約70人が参加。全国10858法人の調査の結果が報告されました。
活動計算書の導入率は平均19.2%。浜松市はわずか2.7%と下から4位。
そのうち、「注記」の導入率は平均18.3%で、全体の3.4%。まだまだ「名前だけ変えただけ」の団体が多い。
静岡県・浜松市ももっと普及をがんばらねば…と思った結果でした。
3)市民セクター全国会議2012
日本NPOセンター主催で、参加者約200名中、静岡からは私一人でした。
サブタイトルは、「“動く”を極める 不確実な時代を自ら切り拓く市民セクター」で、分科会はA:自ら動く~当事者性と波及~、B:つながって動く~連携と変容~、C:支えるために動く~継続と循環~ で、それぞれ1つづつ参加してきました。各地の先進事例の発表とディスカッションがありました。
講師の水ボトルが赤い羽根がついていて、なんだろう?と思ったら、広島カープと赤い羽根共同募金会のコラボ商品だそうで、持っているバットが赤い羽根なんですよぅ。
各地のNPOの方々と交流して、いっぱい情報(と宿題)をお土産に帰ってきました。
課題はまだまだ尽きないけれど、市民セクターが今後も発展していくように、浜松からも元気な事例を作っていきたいな~と感じた3日間でした。
また、少しずつ情報を還元していきたいと思います。
先週は、助成金申請の荒波を乗り切り、東京へ出張してきました。
1)民間NPO支援センター・将来を展望する会(CEO会議)
日本NPOセンターの主催で、全国26都道県のNPOセンターから40人が参加。今回のテーマは認定法人と「新しい公共」支援事業でした。
分科会は①研修、②市民ファンド、③マルチステークホルダーの3つに分かれて意見交換。
「研修」は、NPO法人が4万を超える時代になり、合併や解散の研修もそろそろ必要という話と、法人の「科料」に盛り上がる。法務局の登記変更の遅れで科料(罰金)を科された団体がいくつも!
「市民ファンド」は、5つのファンドで様々な形態でお金を集める工夫について報告。新しい公共支援事業終了後、運営費とファンドレイザーをどう確保するかが大きな共通課題。
「マルチステークホルダー」では、高齢化していく地域の中で、どう地縁団体とつながっていくかが話題に。既存の組織として社協の役割は? という議論もありました。
2)NPO法人会計基準の普及フォーラム
NPO法人会計基準協議会の主催で、約70人が参加。全国10858法人の調査の結果が報告されました。
活動計算書の導入率は平均19.2%。浜松市はわずか2.7%と下から4位。
そのうち、「注記」の導入率は平均18.3%で、全体の3.4%。まだまだ「名前だけ変えただけ」の団体が多い。
静岡県・浜松市ももっと普及をがんばらねば…と思った結果でした。
3)市民セクター全国会議2012
日本NPOセンター主催で、参加者約200名中、静岡からは私一人でした。
サブタイトルは、「“動く”を極める 不確実な時代を自ら切り拓く市民セクター」で、分科会はA:自ら動く~当事者性と波及~、B:つながって動く~連携と変容~、C:支えるために動く~継続と循環~ で、それぞれ1つづつ参加してきました。各地の先進事例の発表とディスカッションがありました。
講師の水ボトルが赤い羽根がついていて、なんだろう?と思ったら、広島カープと赤い羽根共同募金会のコラボ商品だそうで、持っているバットが赤い羽根なんですよぅ。
各地のNPOの方々と交流して、いっぱい情報(と宿題)をお土産に帰ってきました。
課題はまだまだ尽きないけれど、市民セクターが今後も発展していくように、浜松からも元気な事例を作っていきたいな~と感じた3日間でした。
また、少しずつ情報を還元していきたいと思います。
2012年11月16日
浜松外国人無料検診会2012
多文化共生担当の小林です。
11月10日は、静岡文芸大で第4回多文化子ども教育フォーラムへ。
今回は「子どもたちの学びを支えるプランを語ろう」というテーマで、学校、家庭、地域、行政の分科会に分かれて、ディスカッションしました。私は「行政」のファシリテーターを担当して、行政とNPOの関係や、どういうやり方なら施策に反映させられるか、予算の獲得は…といった話をしました。参加者は全体で40名ほどでした。
11月11日は、2年ぶりの「浜松外国人無料検診会」(浜松外国人医療援助会の主催)で終日ボランティア。
今回は、初めて浜松市市民協働センターを使っての開催で、前日のセッティングが大変でした。内科4診、耳鼻科4診、小児科2診、心電図、血液、栄養相談、身体計測、医師総合案内、生活相談、言語別受付…。
当日朝は行列ができていましたが、今回は予約制で時間を区切っていたので、大きな混雑もなくスムーズに進みました。ただ内科はかなり混雑してました。受診者数は261名で、2年前、3年前の健診とほぼ同じ数でした。
私は今回は受付兼通訳でしたが、この道10年以上のMさんいわく「一番多かった時(650人の受診者)は、受付は下向きっぱなしで必死だった」「昔は右も左も全く日本語がわからない人が多かった」とのこと。
今回は「ハガキを見せてください」「一人200円払ってください」「一緒の人は受けなくていいですか?」といった「やさしいにほんご」で全て用が足りました。
日本語ができなくても仕事ができた頃に比べて、今は職探しにも日本語が必要とされるようになり、日常会話ができる人が増えた(できない人は帰国した?)のでしょう。内科でも「通訳要りますか?」の問いに「要りません」という人も多かったそうです。
ボランティアから「日本人は受けられるんですか?」という問合せがありましたが、今は日本人の保険未加入や若者の成人病の話も聞きます。非正規雇用では会社で健診の機会もないでしょうし…。
無料健診を必要とするのは、外国人に限らないのかもしれない、と思った無料検診会でした。
前日の準備で血圧を測ったら「高血圧」なボランティアもいました。みなさんも健康には気をつけてくださいね~!
11月10日は、静岡文芸大で第4回多文化子ども教育フォーラムへ。
今回は「子どもたちの学びを支えるプランを語ろう」というテーマで、学校、家庭、地域、行政の分科会に分かれて、ディスカッションしました。私は「行政」のファシリテーターを担当して、行政とNPOの関係や、どういうやり方なら施策に反映させられるか、予算の獲得は…といった話をしました。参加者は全体で40名ほどでした。
11月11日は、2年ぶりの「浜松外国人無料検診会」(浜松外国人医療援助会の主催)で終日ボランティア。
今回は、初めて浜松市市民協働センターを使っての開催で、前日のセッティングが大変でした。内科4診、耳鼻科4診、小児科2診、心電図、血液、栄養相談、身体計測、医師総合案内、生活相談、言語別受付…。
当日朝は行列ができていましたが、今回は予約制で時間を区切っていたので、大きな混雑もなくスムーズに進みました。ただ内科はかなり混雑してました。受診者数は261名で、2年前、3年前の健診とほぼ同じ数でした。
私は今回は受付兼通訳でしたが、この道10年以上のMさんいわく「一番多かった時(650人の受診者)は、受付は下向きっぱなしで必死だった」「昔は右も左も全く日本語がわからない人が多かった」とのこと。
今回は「ハガキを見せてください」「一人200円払ってください」「一緒の人は受けなくていいですか?」といった「やさしいにほんご」で全て用が足りました。
日本語ができなくても仕事ができた頃に比べて、今は職探しにも日本語が必要とされるようになり、日常会話ができる人が増えた(できない人は帰国した?)のでしょう。内科でも「通訳要りますか?」の問いに「要りません」という人も多かったそうです。
ボランティアから「日本人は受けられるんですか?」という問合せがありましたが、今は日本人の保険未加入や若者の成人病の話も聞きます。非正規雇用では会社で健診の機会もないでしょうし…。
無料健診を必要とするのは、外国人に限らないのかもしれない、と思った無料検診会でした。
前日の準備で血圧を測ったら「高血圧」なボランティアもいました。みなさんも健康には気をつけてくださいね~!
2012年11月07日
NPOの広報力~ワークショップ報告
中間支援担当の小林です。
11月4日は「NPOプレゼント講座」のStep3で、NPOの広報力のワークショップを開催しました。
参加者は12名で、小さな任意団体から、規模の大きなNPO法人まで様々でした。
講師の戸倉さんは、NGOの広報担当として働いた経験と、通信社で秘書をやった経験から、「なるほど~」と思える具体的な事例がいっぱいでした。
広報とは、人を動かすこと、共感を得ることで、「自己主張はしない」「語らない」という話が印象的でした。
ついつい、私も「私の主張!」を語ってしまい、相手をドン引きさせてしまうのですが(←反省)、相手に問いかけて、相手に話をさせる、その人をその気にさせる、とことがコツなんですね。
新聞記事にしてもらうことで、タダで広報しちゃおう!ということで、後半は模擬記者会見。これも長々語るのでなく、結論を先に、理由は後で説明する。話題性や関わっている人の「思い」を盛り込む、ということも勉強になりました。
早速、次のイベントはプレスリリースを送ってみます!
会場の鴨江別館の雰囲気もとってもよかったです。
アート系の面白いイベントや展示もいろいろやっているのでおススメです。
11月4日は「NPOプレゼント講座」のStep3で、NPOの広報力のワークショップを開催しました。
参加者は12名で、小さな任意団体から、規模の大きなNPO法人まで様々でした。
講師の戸倉さんは、NGOの広報担当として働いた経験と、通信社で秘書をやった経験から、「なるほど~」と思える具体的な事例がいっぱいでした。
広報とは、人を動かすこと、共感を得ることで、「自己主張はしない」「語らない」という話が印象的でした。
ついつい、私も「私の主張!」を語ってしまい、相手をドン引きさせてしまうのですが(←反省)、相手に問いかけて、相手に話をさせる、その人をその気にさせる、とことがコツなんですね。
新聞記事にしてもらうことで、タダで広報しちゃおう!ということで、後半は模擬記者会見。これも長々語るのでなく、結論を先に、理由は後で説明する。話題性や関わっている人の「思い」を盛り込む、ということも勉強になりました。
早速、次のイベントはプレスリリースを送ってみます!
会場の鴨江別館の雰囲気もとってもよかったです。
アート系の面白いイベントや展示もいろいろやっているのでおススメです。
2012年11月02日
「特別」と「平均」という言葉からみえる社会のありよう
代表の井ノ上です。
障害当事者のつぶやき
「軽視もされず、強調もされず、特別扱いもされず、普通に生きていきたい。バリアフリーはその願いを叶えてくれない」という障害当事者のつぶやきを聞いたことがあります。
バリアフリーは、特定の障害にかかわるバリアを除くことに目的をもっているので、いわば特別な配慮です。「特別」という言葉は、確かに分離感を生みやすいものです。自分に障害がないと考える人々は、特別ではない存在として、障害について他人ごとに思ってしまいがちです。
「Hi!みのり」の主人公
私自身、曾祖父が盲人であったため、曾祖父お気に入りの菓子を買いに行くのが、小学校にあがる前の私の「おてつだい」だったのですが、曾祖父が亡くなった後は、世の中に障害のある人がいることについてすっかり忘れてしまったような毎日を送っていました。
障害のある人との生活を日常化して捉えられるになったのは、25年ほど前、盲学校(現在・視覚特別支援学校)の非常勤講師を頼まれたのがきっかけでした。受け持ったのは高等部普通科の1年生。かわいい女の子二人っきりのクラスでした。そのうちの一人が、こんなにたくましい女性に成長するとは。。。
彼女は盲学校卒業後、京都の大学を卒業し、在学中にダスキン障害者リーダー養成海外派遣事業16期生として研修留学。数年後、下肢にも障害があらわれ、複合性けいせい対麻痺と診断されたにも関わらず、「水俣を子どもたちに伝えるねっと」のメンバーとして視覚障碍者も鑑賞できる写真展を企画したり、持ち前の負けず嫌いな性格と強い好奇心、さらには、風をきって走りたいという強い願いがエネルギーとなり、ハンドサイクルを使ってのニューヨークシティマラソンに参加、完走してしまうのです。
「誰をも排除されない社会」を目指して
今までの街づくりは、だれでも難なく利用できることはあたりまえの権利であるにも関わらず、「平均者・多数者」にあわせて作られてきましたが、静岡県や浜松市ではバリアフリーを超えたユニバーサルデザインという理念を掲げた街づくりが積極的になされるようになり、ハードの部分では随分変わりました。
障害のある人が街中に出ることで、社会は変わります。人々の想像力を強くし、他人ごとではなく、自分ごととして社会のあり方を考える人が増えるからです。こうした積み重ねが本物の誰をも排除されない社会をつくっていきます。街中にある市民活動センター(西部パレット)の移転問題にN-Pocketが関わった理由は、そこで芽吹いた多様な人々による活動の場を閉じることは、まさにこうした社会をつくる「未来への投資」をやめることになると感じたからです。
さきほどご紹介した女性は、二重の障害を抱えているからこそ見えた社会の姿について感じたことそのままを本(「Hi!みのり」)に書き著しましたが、はっとするような指摘があります。ぜひ「Hi!みのり」の中で、今の社会の「特別」と「平均」について考えてみませんか。
*「Hi!みのり」 これから出版 1575円 愛知県・静岡県の書店にて販売中。
N-Pocket(浜松市佐鳴台ホワイトストリート沿い)でも取り扱っています。
障害当事者のつぶやき
「軽視もされず、強調もされず、特別扱いもされず、普通に生きていきたい。バリアフリーはその願いを叶えてくれない」という障害当事者のつぶやきを聞いたことがあります。
バリアフリーは、特定の障害にかかわるバリアを除くことに目的をもっているので、いわば特別な配慮です。「特別」という言葉は、確かに分離感を生みやすいものです。自分に障害がないと考える人々は、特別ではない存在として、障害について他人ごとに思ってしまいがちです。
「Hi!みのり」の主人公
私自身、曾祖父が盲人であったため、曾祖父お気に入りの菓子を買いに行くのが、小学校にあがる前の私の「おてつだい」だったのですが、曾祖父が亡くなった後は、世の中に障害のある人がいることについてすっかり忘れてしまったような毎日を送っていました。
障害のある人との生活を日常化して捉えられるになったのは、25年ほど前、盲学校(現在・視覚特別支援学校)の非常勤講師を頼まれたのがきっかけでした。受け持ったのは高等部普通科の1年生。かわいい女の子二人っきりのクラスでした。そのうちの一人が、こんなにたくましい女性に成長するとは。。。
彼女は盲学校卒業後、京都の大学を卒業し、在学中にダスキン障害者リーダー養成海外派遣事業16期生として研修留学。数年後、下肢にも障害があらわれ、複合性けいせい対麻痺と診断されたにも関わらず、「水俣を子どもたちに伝えるねっと」のメンバーとして視覚障碍者も鑑賞できる写真展を企画したり、持ち前の負けず嫌いな性格と強い好奇心、さらには、風をきって走りたいという強い願いがエネルギーとなり、ハンドサイクルを使ってのニューヨークシティマラソンに参加、完走してしまうのです。
「誰をも排除されない社会」を目指して
今までの街づくりは、だれでも難なく利用できることはあたりまえの権利であるにも関わらず、「平均者・多数者」にあわせて作られてきましたが、静岡県や浜松市ではバリアフリーを超えたユニバーサルデザインという理念を掲げた街づくりが積極的になされるようになり、ハードの部分では随分変わりました。
障害のある人が街中に出ることで、社会は変わります。人々の想像力を強くし、他人ごとではなく、自分ごととして社会のあり方を考える人が増えるからです。こうした積み重ねが本物の誰をも排除されない社会をつくっていきます。街中にある市民活動センター(西部パレット)の移転問題にN-Pocketが関わった理由は、そこで芽吹いた多様な人々による活動の場を閉じることは、まさにこうした社会をつくる「未来への投資」をやめることになると感じたからです。
さきほどご紹介した女性は、二重の障害を抱えているからこそ見えた社会の姿について感じたことそのままを本(「Hi!みのり」)に書き著しましたが、はっとするような指摘があります。ぜひ「Hi!みのり」の中で、今の社会の「特別」と「平均」について考えてみませんか。
*「Hi!みのり」 これから出版 1575円 愛知県・静岡県の書店にて販売中。
N-Pocket(浜松市佐鳴台ホワイトストリート沿い)でも取り扱っています。