2017年06月27日

「貧困問題レクチャーマニュアル」「先生、貧困ってなんですか?」

子ども事業担当の小林です。
先日、静岡県作業所連合会・わ西部地区会が主催する、認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやいによる『貧困問題を「学ぶ・伝える」レクチャーセミナー』に参加してきました。

ワークショップでは「生活保護のお金でパチンコしていいの?」を賛成派・反対派を機械的に分けてディスカッションするロールプレイをしました。
パチンコがダメなら、お酒、たばこ、ゲームやコンサートは問題ないのか?憲法第25条の「文化的な最低限度な生活」とは?小野市の「パチンコ通報条例」の後日談もビックリびっくり!で、いろいろ考える機会になりました。
右パチンコ通報条例について、もやいの大西さんのコラムがありました(2013.03.28)。

そこで使われた貧困問題レクチャーマニュアル、根拠となるデータや制度から貧困をめぐる背景や構造がわかりやすく説明されています。
レクチャーマニュアル4
こちらからダウンロードできます。→ もやい 生活支援関連資料

現代の貧困の状況、「相対的貧困」の説明など、貧困をめぐる社会状況やキーワードなどが端的に書かれています。「生活保護って不正受給も多いんでしょ?」「女性やマイノリティは貧困におちいりやすいの?」「子どもの貧困」など様々なケースについて解説。
また、「あなたの給与明細を確認しよう」「あなたの生活費を計算してみよう」など、自分事として考えるためのワークシートもついています。

さらに、有料の冊子では「先生、貧困ってなんですか?」という本も出ています。


こちらは上記の内容に加え、ワークシートが充実しており、「ネットカフェ生活にいくらかかる?」「シングルマザーの子育てと仕事」「年金だけで生活していける?」といった身近な話題から、「一人ひとりの生活と財政、どっちが大事?」「子どもの給食費は誰が払う?」といった制度まで、自分で調べてみたり、みんなで考えるテーマが数多くあります。

学校や一般向けにはもちろん、貧困に関わる機会のあるNPOスタッフの入門書としても読みやすく、わかりやすくておススメ!私も時々パラパラめくって勉強中です。
  

Posted by ぽけ子 at 14:32Comments(0)出版物紹介

2017年04月19日

ほっとけない子どもの貧困 情報サイトと冊子ができました

子ども事業担当の松井です。

「貧困の子ども支援 はじめの一歩」事業、なかなか発信できていませんが、少しずつアップしていきます。
第一弾は、子どもに関する様々な情報を冊子Webサイトにまとめました。

表紙

サイト http://kodomosos.n-pocket.com/ 

子どもの貧困に関する制度や相談先は、社会福祉課だったり子育て支援課だったり、教育委員会だったり、民間だったり、様々なところに散在していて、わかりにくいのです。
なので、お困り事や対象で制度や相談窓口を探せるように、情報を整理してみました。

当事者の方は情報を探したり、読み解いたりする余裕がない方も多いと思うので、その周囲にいる方が情報をキャッチして届けたり、活用してくださると嬉しいです。
冊子はオールカラー12ページです。
欲しい方は事務所に来ていただくか、お問い合わせください。
  

2015年08月03日

日本語で伝えるコツ~多文化子育て支援ガイドブック

事務局長の小林です。
先週は、日本NPOセンターの「民間支援センター将来を展望する会」、通称CEO会議に行ってきました。
全国の民間のNPO支援センターから代表や事務局長が40人ほど集まり、地域創生や災害時における支援センターの役割について色々議論をしてきました。

今回の会場は大阪ボランティア協会で、初めて訪問する素敵なオフィスを眺めていたら、「これ持っていって!」と冊子をいただきました。

多文化子育て支援ガイドブック「日本語で伝えるコツ」
外国人保護者と子育て支援に関わる人とのより良いコミュニケーション

これは2013年9月に発行されたもので、母子保健や幼稚園・保育園の現場で使える「やさしい日本語」をまとめたものです。
外国人→言葉の壁→通訳・翻訳、という図式になりがちですが、もっと日常的に誰でも現場で使える方法が「やさしい日本語」です。

在住外国人の多様な家庭状況や日本語の習得にも様々なレベルがある(会話はOKでも読みが苦手/漢字圏でも違いがある/母語も日本語も不十分?)といった、外国人の背景が詳しく書かれています。

そして「伝わらなかった」「こんな時どうする?」といった例が、「あ~あるある!汗事例満載。

「アーンして、オイチイね~。はい、ナイナイしとこうね。バッチいのはポイして。」

…たしかに幼児語は辞書にもないし、これはわからんわ!!汗汗

保育士さんが思ったこと、外国人保護者が思ったこと、日本語ボランティアの話など、それぞれの見方がこんなに違うんだ!と気づかされます。目的や理由、方法を説明する、相手の文化を否定しないなど、文化や習慣の違いにも配慮が必要であることが腑に落ちます。
私も「やさしい日本語」の高校進学ガイドブックを作ってきましたが、改めて色々考えさせられました。


保育園・幼稚園だけでなく、小学校でもこういったプリントを配ってくれたら、かなりの人が助かるはずキラキラ
外国語ができなくても、できることはあるんです!!

外国人保護者とのコミュニケーションで大切なことは何か、ポイントを押さえた上で、「やさしい日本語」で伝えるコツが書かれており、練習問題もついています。



今日、つたない日本語の方から子どもの教育相談で電話があったので、早速、易しい単語を選び、短文で、ゆっくり、はっきり、を心がけてコミュニケーションをしてみました。
おかげで相手に情報が届いたようです。グッド

保育士や保健師のみならず、在住外国人とふれあう機会のある人にはぜひおススメです。
多文化コミュニケーションのマニュアルとして様々な場面で活用できるし、読み物としても面白いですよハート
ダウンロードはこちらから。

追記:多文化リンクに「やさしい日本語」カテゴリをつくりました。中ほどより下の方にあります。
  

Posted by ぽけ子 at 19:17Comments(0)多文化共生出版物紹介

2015年06月25日

「生物多様性×しずおか」に期待します!

N-Pocketの生き物係のこばやしです。
今日は、浜松市の環境教育推進ネットワークの会議に初めて参加してきました。
生物多様性やESDの話題も出てきたので、少しでも貢献できるよう、がんばりたいと思います。

先日、高知の生き物つながりの仲間に「ふるさとの いのちつなぐ『生物多様性こうち戦略』」「生物多様性×こうち ハンドブック」を送ってもらいました。
生物多様性こうち

高知県は四万十川をはじめ豊かな自然があるところで、「人と生きものが共に賑わう豊かな社会」を目指して、生物多様性の普及啓発に力を入れています。
昨年度に行った、ジオパーク、環境教育、農業、林業、水産業、食と観光、地域と絡めて10回のワークショップの報告書と、高知の生物多様性の現状と今できることをまとめたハンドブックがこれ。高知の地域資源や自然資源、それぞれ課題と対策が盛り込まれていますが、産業や生活と結びついた切り口で考えられているのが興味深いです。

多様性×農業

こうちハンドブック

時代は、鳥獣保護や希少生物の保護から生物多様性の保全になり、人口減少による里地・里山の荒廃外来生物の脅威も、年々問題が大きくなっています。
浜松市では2013年3月に生物多様性はままつ戦略を作り、静岡市でも2011年11月に静岡市生物多様性地域戦略をつくっています。

静岡県の自然保護課には、2012年に「生物多様性に取り組んでほしい!」と言ったのですが、「その計画はない」との回答ガーン 地域戦略の策定も他県に比べて、大幅に遅れています。すでに33都道府県が策定ずみなのに~~!
今年になって、やっっっと静岡県も2017年度の策定を目指して動き始めたので、遅れた分も先進的なものができることを期待したいと思います。  

Posted by ぽけ子 at 14:41Comments(0)地域と環境出版物紹介

2015年05月26日

市民活動総合情報誌「ウォロ」

事務局の小林です。
N-Pocketの事務所には、毎日たくさんの郵便物が届きます。

各地の市民活動支援センターのニュースレターなども届きますが、その中でも読み物としてダントツに「読みごたえ」のあるのが、大阪ボランティア協会の出版している
市民活動総合情報誌「ウォロ」

ウォロ500号

ウォロは創刊号から購読していますが、今月は通算500号だそうで、おめでとうございます!!くす玉
市民活動最前線のレポートやインタビュー、制度やコトバの解説、市民活動の歴史、本の紹介、東日本大震災の活動など、大阪だけでなく各地の取り組みや課題をわかりやすく取り上げています。

単なる情報誌ではなく、「常に時代の一歩先を読み、新しい課題の発見や提言に努めるオピニオン誌」として、市民社会、市民自治の発展のために、様々なテーマ、切り口から問題提起もしています。
全国の市民活動の動向を知るのにおススメです!グッド N-Pocketでは冊子が届くとスタッフで回し読みしてますが、事務所ではバックナンバーも含めて閲覧できます。

営利の広告もないので、運営は購読料と助成金とボランティアの支えが中心で、厳しい財政の中で出版しているそうです。「読み支える」ことで、少しでも支援できたら…と思っています。
購読料は年間3,000円(送料込み)お得で、「立ち読み本」もクレジットカード支払いもできますよ。
詳しくは、大阪ボランティア協会のサイトをご覧ください。
  

Posted by ぽけ子 at 18:28Comments(0)出版物紹介

2015年05月13日

外国につながる子どものサポートガイドあれこれ

多文化担当の小林です。
今日は、かながわ国際交流財団の冊子の紹介です。

神奈川の冊子

『日本生まれの外国につながる子どもたち〜どうやってサポートすればいいの?〜』
『ホッとする授業づくり〜教科書を活用したアイデア集〜』
『未来を支えるために〜5年後、10年後を見据えて成長を見守るヒント』
『あるあるマンガでよむ 高校進学サポートガイド こまったときの10のヒント』
『外国人保護者・生徒のための 中学校生活を充実させる10のポイント』

外国につながる子どもたちがいる学校の先生、支援教室の方におススメです!
学校での具体的な事例、支援の方法や制度、当事者の声がたくさん載っています。

こんな日に学校休むって!?
↑ 「あるある」話がいっぱいで、笑えたり、ほろりとしたり。

かながわ国際交流財団は、先進的な事例をどんどん作っている多文化共生の大先輩です。
これらの冊子本、Webからダウンロード下できます! →ガイドブック

浜松市の小中学校には様々な支援制度がありますが、支援の手が薄い地域や、ノウハウが蓄積されていない高校などではきっと役に立つと思います。
昨年、ブラジルに帰国して大学進学をした若者にインタビューした時、「中学校でT先生に出会えたことは本当に幸運だった!おすましと懐かしそうに語っていた姿を思い出します。そんな先生、生徒が一人でも増えることを願っています。

全国の様々なノウハウはWebで共有されています。リンク集を作ったので、活用していただけると嬉しいですびっくり
教育関係の方はあまり見てないとは思いますが涙、高校や教育委員会から問い合わせがあったので紹介してみました。
  

Posted by ぽけ子 at 17:33Comments(0)多文化共生出版物紹介

2015年04月24日

東大手の会「アドボカシーのための6つのステップ」

事務局の小林です。
年度初めは、昨年度事業の報告と同時に、新年度事業の仕込みに忙しい時期です。

今日の出版物の紹介は、名古屋のNPOスタッフによる「東大手の会」(ひがしおおてのかい)が作った、NPO/NGO政策提言力向上マニュアル「アドボカシーのための6つのステップ」
アドボカシーのための6つのステップ

昨年度に開催した7回のセミナーを元にまとめたもので、
1)課題の整理 2)アドボカシーが滴するか判断する 3)ステークホルダーを知る 4)アドボカシーの手法を知る 5)提案と提案方法を考え実践する 6)振り返りをする
の6つのステップに分かれています。

政策提言のために、課題を整理して、どんなステークホルダーと一緒にどこへどのように持っていったらよいか、フローになっています。
アドボカシーの手法やステップもわかりやすく、ワークシートまでついています。→ ダウンロードできます。

2013年と2014年、N-Pocketでは「NPOと議員の円卓会議」で地域課題を施策にするには…というテーマを取り上げたのですが、市議会(県議会)へのアドボカシーという手法で使える!と。
多文化事業でも外国ルーツの子どもたちの高校進学について提言したいと思っているので、これを活用してまとめてみようと思います。


実はこの「東大手の会」とは、今年度、協働して「NPO労働環境改善のための調査とセミナー開催事業」を行います!
「NPOで働くこと」における、活動者か労働者かの位置づけ、労働法と意識・実態の乖離などの課題を整理し、これらの課題を乗り越える方法を提示していきたいと思っています。
  

Posted by ぽけ子 at 12:14Comments(0)出版物紹介

2015年04月17日

宇都宮大学HANDSプロジェクト「教員必携 外国につながる子どもの教育」

事務局の小林です。
N-Pocketには日々全国からのニュースレターや報告書が送られてきます。
また、あちこちの会議で入手してくる資料もたくさんあるので、優れた出版物・資料を少しずつ紹介していきたいと思います。

先月22日は茨城NPOセンターに呼ばれて、茨城の外国とつながる子どもの学習環境向上プロジェクト報告会に行ってきました。

そこで、宇都宮大学HANDSプロジェクトの若林秀樹先生にいただいた本がこれ。
HANDSプロジェクト

若林先生自身、中学校の現場で外国人生徒に長いこと取り組まれていて、栃木県内の学校の先生方や保護者の方たちと作った本とのこと。
①学期ごとのQ&A、翻訳資料といった教員のための”応援書”
②安心・日本語・学習意欲・連携・情報提供といった”支援の事例集”と進路や帰国の調査報告
③外国につながる子どもの教育の「これまで」と「これから」、日本語教材の紹介 
という内容になっています。

好事例だけでなく、現行の制度の課題や失敗談もあって、色々考えさせられます。

3巻の「はじめに」を少し引用すると…

「日本に暮らす外国人は、国籍や言語習慣など実に多様化してきました。同時に、日本人の子どもや保護者の価値観も多様化が進み、学校現場でも従来なかったような問題が起きています。
外国につながる子どもや保護者が『入りたい』『入ってよかったキラキラと思える学校は、日本の子どもや保護者にとっても同じに違いないのです。そんな学校づくりこそが日本の教育のクオリティを上げることであり、外国につながる子どもの存在はそのための絶好のチャンスであるはずです。」

学校では今年から外国人担当になって「さて、どうしよう?!汗」という先生もいらっしゃると思いますが、きっとそんな方の助け力こぶになる本だと思います。
(注文は直接、宇都宮大学HANDSプロジェクトへ)

このような各地の取り組みや手引きはWebでも見ることができるので、N-Pocketの作った「外国ルーツの子どものための教育支援情報倉庫」のリンク集も活用していただければ幸いです。

  

Posted by ぽけ子 at 13:08Comments(0)多文化共生出版物紹介