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2012年02月28日

きらきらフォーラム・「地域主権と市民の役割」で話されたこと

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代表の井ノ上です。
内橋克人氏の基調講演は、とても厳しいものでした。

NPOの法改正も後押しし、東北での市民による支援活動は、活発に動いています。
もちろん、現場では願わぬ混乱が起こってはいますが、市民の熱意で救援活動が続けられています。

「内橋氏基調講演より。救援は大切。しかし、人々の絆の美しさをたたえるだけの裏にあるものをみよ。国として果たすべき役割を忘れてはならぬ。国の責任について、しっかり糾弾することも必要な事態になってしまっている。」

と、昨日、私はツイートしました。

内橋氏は、「救援と糾弾」について話したのです。
この背景には、市民活動を実践するきらきらフォーラムの参加者に向けて、
社会貢献という、いわゆる“いいこと”を行っていると思っているNPOに、自己満足をしていてはならぬ、という警告をしたのです。

具体的に、お金と違う「マネー」がグローバル化した経済の中で、人々が大切にしてきた多くのものを食い尽くしている姿を訴えました。

スマトラ沖地震の後、外国資本が彼の地をのっとってしまい、一大リゾート地となってしまっている事実を知らずに、
観光客が「ここがあの津波が起こったところなんて、、」とつぶやいていることの愚かさを話されました。

大災害や戦争などが起きて、人々が茫然自失となったどさくさに乗じ、経済や社会のありようを変えてしまおうとする、いわゆる「ショック・ドクトリン」が起こってしまうことを警戒する必要がある、と説かれたのです。

今回のきらきらフォーラムのテーマは、「はじめる 社会をデザインする暮らし」
市民参加のしくみづくりについて、話を深める目的がありました。

内橋氏は、講演の冒頭、15分を割いて今回の分科会の3つのテーマ

・お金や物品に思いを託して市民活動に参加する重要性
・労力提供によって市民活動に参加する重要性
・企業とNPOによる協働が社会を支えるしくみの重要性

について、私たちに代わって、丁寧に説明されました。

最後には、シェリー・アーンステインの「市民参加の8つのはしご」について話されました。
これは、私たちNPOが行政との協働を考えるときに、参考にする考え方で、
彼女は以下の段階に分けて説明しています。

①あやつり
②セラピー
③お知らせ
④意見聴取
⑤懐柔
⑥パートナーシップ
⑦住民への権限委任
⑧住民自治

の8 段階に分けています。

このうち、住民意見を聞く会、とかパブリックコメントなどは、
③お知らせ、④意見聴取、⑤懐柔 のレベルで、「形だけの参加」にすぎず、
⑥パートナーシップ、⑦住民への権限委譲、⑧住民自治のレベルになると、
意思決定過程へ関わる本当の意味での市民参加と言えます。

大切なことは、市民が施策・政策の意思決定の主体として関与できることである
と、内橋氏も最後にまとめられました。


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