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2018年03月01日

ほっとけない!子どもの貧困 シンポジウム報告「基調講演」

事務局長の小林です。
2月25日に「ほっとけない!子どもの貧困2018 シンポジウム」を開催しました。午前の部は87名、午後の部は84名の参加があり、多くの方にご参加いただき、ありがとうございました。

昨年は午後開催だったのですが、時間が短かくて未消化だったのと、「これから活動したい」人と「活動を始めてスキルアップしたい」人とニーズが分かれていることから、午前に入門編として基調講演を、午後は実践報告で具体的に、と構成してみました。

午前の部は、自立生活サポートセンター・もやいの代表である大西連さんに、「子どもの貧困~見えない貧困とその背景にあるもの」と題してお話いただきました。
大西さん「僕のルーツは浜松にあって…」と掴みもバッチリ、様々なエピソードや笑いも交えながら、「貧困」という言葉の定義、ここ20~30年の社会の変化、具体的な数値やデータ鉛筆を提示しながら、「見えにくい貧困」に迫っていきます。

最低賃金×フルタイムで働いても静岡では月13万3千円、年収160万円なこと。非正規労働が特に若い人に拡大して、社会全体が低所得化している。あ~あるよね!えーんマクロの問題では共感されるけれど、個別の話になると「それって自己責任では?ムカッという見方になりがち。貧困が構造的な問題でありながら、個人の話だと感じられるものが違うことは、思い当たる節のある人も多かったようです。

子どもの貧困対策は、投資的側面で語られがちですが、SDG'sなど国際的には「権利」の見方が強いとのこと。
自己責任論が強いと声をあげられないし、自己責任では解決しない。地域のなかで「支え合い」をつくっていくことがカギ、と結んで終わりました。
大西さん講演

参加者アンケートでは「わかりやすかった」「もっと聞きたかった」と大変好評ラブでした。昨年7月にも浜松であった大西さんの講演をきいたのですが、内容がグレードアップキラキラしていて、2時間があっという間でした。大西さん、ありがとうございました!


書籍コーナーは「僕の本、売れないので…」と遠慮がちに6冊しか著書を持ってこられなかったのですが、即売でした!
すぐそばにある貧困

大西さんが3年かけて書いた本。若者の目から見た率直な疑問や驚き、戸惑い、そのドラマに引き込まれて私は一気読みロケットでした。イケメンの若者、猫が家族の野宿者、暴力団の元団員…様々な貧困の姿が描かれています。背景の説明やデータもあって、貧困問題の入門書としておススメです。
高校を出てアルバイトをしながらボランティアで関わり、有給スタッフにスカウトされ、現在はNPOの理事長というNPOキャリアとしても興味深いものでした。

(午前の部はここまで。午後の部につづきます。)

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