› エヌポケット・ぽけっとのなかみ › 市民活動支援 › 子ども・フードバンク › 「あったらいいな こんな居場所を考えよう」 報告①

2018年12月17日

「あったらいいな こんな居場所を考えよう」 報告①

12月15日講演会 こどもが生き生き育つ居場所とは 

 南区まちづくり『人財』育成プログラムとしての委託事業「あったらいいな こんな居場所を考えよう」の一日目は、午前が講演会「こどもが生き生き育つ居場所とは」、午後が活動実践者5人とトークタイム「いいな♡いいな♡こどもたちのこんな場所」。
 午前は、子育ち環境コンサルタント大隅和子さんにお話ししていただきました。大隅さんは、子育てする母親当事者としてはもちろん、教員、スクールカウンセラー、子育て支援者など様々な立場から子どもを取り巻く環境を見つめてきた方です。どんなお話をされたか、ご報告しますね。

 まずは、共同養育という環境が必要である(明和政子教授)のに、核家族の中で育った子どもが子育てを始めている時代である。そのために子育て支援が必要になっている(榊原智子氏)という話から始まりました。
 現状は核家族が80%を超え、子育ての知恵などが伝承されず、孤立した子育て環境になってしまって、子育てはとても大変!わーん だけど、ますます予測不可能な変化の激しい社会になっていく。

そこで生き延びることができる子どもたちに必要なことって何?
自律、行動力、多様性の尊重、立場や意見の違う人と協働する力、柔軟な思考・発想力、問題発見・解決力! 
評価ってわかりやすいIQなどの数値であることが多いのですが、価値基準の変化が起こっていて、世界で注目されているのがこれらの測れない力「非認知的能力」なんだそうです。
  
 主体的な活動が多いと子どもの語彙が増えるというお話の段では、大隅さん自身も、自分の子どものオシメを変えているとき「『気持ちよくなったね、今度おしっこ出る時には教えてね』と語りかけると、赤ちゃんは言ってくれるようになるわよ』と子育ての先生から教えられたそうです。タイムリーに会場にいた赤ちゃんが、もしょもしょおしゃべりし始めたのを聞いて「まあ、よくおしゃべりができる赤ちゃんだことハート」と、OJTな雰囲気満載の講座になっていました。

 乳幼児期は愛着形成が行われていく大事な時期であること。そのための環境づくりが産前・産後の子育てでどう行われていくか。
パワポ画面には、女性の愛情曲線のグラフが登場。結婚直後は彼氏や夫に気持ちを十分注いでいた女性は、こどもが生まれると一気に夫に対する愛情曲線が下降し下降、こどもへの愛情がぐーんと急上昇する上昇という例のホルモン変化由来のグラフ。
 興味深いのは、この夫への愛情曲線が回復していくグループとさらに下降していくグループがある、ということ。産後の夫婦のあり方によってということになりますが、その背景には、複合的な子育ての環境問題があります。
産科の集約化、高齢出産の増加、低体重児、産後鬱、乳幼児虐待という現れや、なんでもスマホ検索してという大量雑多な情報で混乱したり、核家族化、つながりの希薄化、共働きの増加、待機児童の増加など次から次へと問題が重層化していく社会の様相についてのお話が続きました。

 今回の事業は、つながりの希薄化が子どもの育ちに影響している問題に注目し、居場所づくり家をテーマにしています。後半は、こうした子どもの育ちを支えるための居場所づくりには、何が大事なのかのお話になりました。

 子どもの居場所で一番大事なことは、
こども自身が、ありのままで受け入れられ、「そこにいていい」と感じること。
人が幸福であると感じるのは、収入や学歴より「自己決定度」によるそうです。まさに、子どもの権利の保障のための空間です。サービスしすぎるとその人の力を奪い依存を招きますから、どうエンパワしていったらいいのでしょうか。よい環境がよい行動を導きます。
 安心できる場づくりのために、何ができる?と参加者の皆さんに問いかけがありました。あたたかい雰囲気づくりのために、挨拶だったり傾聴だったり、一人ひとりへの話しかけや誰でも楽しめるゲームを用意するなど様々な意見が出ました。

 最後には孤育てにならないよう設けられている子育て支援事業の紹介を通し、「多様な子育てと出会うこと、人と関わり支援者も親子も育つこと、わが子もよその子も一緒に育ち合うことが大切」というメッセージをいただき終了いたしました。

「あったらいいな こんな居場所を考えよう」 報告①





同じカテゴリー(市民活動支援)の記事

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
「あったらいいな こんな居場所を考えよう」 報告①
    コメント(0)