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2018年11月20日

多様なキャリアがあってOK~「ソーシャルセクターで働く」座談会レポート

渡り鳥キャリアな事務局長の小林です。

11月17日は「ソーシャルセクターで働く~NPOとキャリア」の座談会を開催しました。
まず、東大手の会の青木研輔さんより「多様な働き方・生き方のキャリアモデル」をテーマに、「NPOライフデザイン~NPOでキャリアを積む5つのモデル~」から、内部育成型、キャリアアップ転職型/渡り鳥型、起業型、多業/マルチワーク型、転身・兼業型の解説がありました。時代によって、キャリアのパターンも変わってきて、最近の名古屋ではマルチワーク型を養成しているとのこと。

座談会では、河合良太さん(泉京・垂井+地域の未来・志援センター)、佐々木知里さん(クリエイティブサポートレッツ)、廣瀬稔也さん(ひずるしい鎮玉)、青木さんの4人4様のキャリアや働き方を伺いました。

就職のきっかけは、フェアトレードの活動に関わり、「NGOスタッフになりたい人のためのコミュニティカレッジ」に通って仕事を見つけた河合さん。
佐々木さんは、大学時代に福祉系のNPOでアールブリュットに出会い、一般企業で働きながらホームレス支援のボランティア活動に参加。気になるNPOを訪ねた一つがレッツで、何度か訪問するうちに声をかけられて専従スタッフに転職。

廣瀬さんもボランティアからスタートして、東京で市民活動団体の有給スタッフになり、NPO法ができた1998年以前から団体職員として働いてきたという叩き上げ。兼業していた出版業本を引き継いで主要な稼ぎにしつつ、移住先でNPOの非常勤スタッフに。
青木さんは、就職浪人中に「NPOに拾ってもらった恩がある」と。今は東大手の会の他にも、プロジェクトベースで複数の団体の仕事を担当。兼業の3人には、その時間配分や収入の割合について聞きました。

NPOは求人が出ることもありますが、ボランティアなどで出入りしていると、どんな団体でどんな人かお互いわかり、採用に安心感があります。日頃のお付き合いから、紹介したりされたりすることも多く、河合さんが2つ目のNPOで働くことになったのも、直接声をかけられてでした。NPOセクターの中で人材や仕事が巡ることも多いようです。
座談会2018

NPOに入ってびっくりしたことでは「服装がタンクトップ、短パンに雪駄ビーチサンダルだったキャー」「利用者さんが床にごろ~んと転がっていたけど、他のスタッフが何も言わなかったびっくり」…これは団体のカラーや風土ヤシの木も大きいと思いますが、こういう自由度、許容度の広さは、NPOならではの持ち味かもしれません。

収入面お宝は、企業から転職して7割に減った下降人、11月頃に「来年度は自分の給与がないかも…ガーン」と気づいた人、月変動が大きいフリーランスなど、大きな課題です。
企業並みに給与を出せる団体はまだ少ないけれど、ソーシャルセクターで上手に稼いでいる団体もあります。「非営利だから人件費はいらない/安くていい」という誤解もありますが、人を雇用するなら「食べていける」ぐらいはないと若い人は定着しません。

団体が小さいからこそ、「自分のやりたいこと」を仕事にして、やりがいぐーや手ごたえナイスを感じることができるという良さもあります。
「イベントの企画運営から会計、経営、企画、物販、トイレ掃除から借金返済まで」マルチワークを担って、てんてこ舞い汗になることもありますが、青木さんは「早くから責任を持たされることで、経験を積むことができる」「経営者的な視点、組織全体を見る視点、社会に対する視点が育まれる」とNPOの人材育成力力こぶを評価していました。

NPOの中には企業的な組織もありますが、市民活動から立ち上げた組織で働く人には、対価をもらう「労働者」の部分と、ボランタリーな「活動者」の部分があります。その線引きは人によって異なり、参加者から「組織内でその混在に悩んでいる涙」という声もありました。これは、生活のために収入が必要な人、収入を気にしなくていい人といった背景や思いの濃淡から起こりうることですが、悩ましい問題です。

20代、30代、40代の方が登壇しましたが、時代によって「仕事」の捉え方、掴み方は様々で、一番若い佐々木さんの「仕事が人生のメインでなくていい」というしなやかな生き方ヨットに、なるほどなぁと。
前に話題になった「N女の研究」では、ハイキャリアキラキラが転職してNPOで働く、という話がてんこ盛りでしたが、青木さんは「むしろ、平凡な人間に社会参加の機会をつくることがNPOの社会的価値虹の一つ」「ライフスタイルの多様化を考えると、NPO的なキャリアモデルは、キャリアが中断したり、一度キャリア形成に失敗した人にとってチャンスを与える希望星と。

今回、今年からNPOで働き始めた方が4人も参加してくださり、「様々な経緯があって、NPOで働いている方がたくさんいることがわかり、安心しました」という感想をいただきました。

交流会ナイフ&フォークは、NPO法人ドリームフィールドの「カフェいもねこ」の見た目も味もクオリティキラキラの高いオードブルで。みなさんの人生いろいろ~に話が尽きず!また、こういう機会をもちたいですね。
いもねこパーティーメニュー


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