› エヌポケット・ぽけっとのなかみ › 子ども・フードバンク › 子どもの貧困シンポジウム報告「分科会 高校のキャリア支援と校内カフェ」

2018年03月12日

子どもの貧困シンポジウム報告「分科会 高校のキャリア支援と校内カフェ」

「ほっとけない!子どもの貧困2018 シンポジウム」C分科会担当の小林です。

ここでは「高校のキャリア支援と校内カフェ」がテーマでした。
N-Pocketでは昨年10月から4回、高校での「校内カフェ」をお菓子や寄贈食品の提供などで支援してきた縁で、定時制高校の中村先生と、地域若者サポートステーションかけがわの池田さんにお話ししていただきました。

定時制というと、以前はやんちゃな子や年上の生徒が多く、働く人が行く高校というイメージでしたが、今は不登校経験者や外国ルーツの子が多く、様々なハンデ(≒リスク)を抱えている生徒が多い学校でもあります。中には世帯の主たる収入獲得者として家計を支えている子もいたりします。

だからこそ、就労は貧困の連鎖を防ぐという意味でも重要です。新居高校では、正規で就職できる確率が一番高い「新卒」時にしっかり就職を決めることを目標に、総合の時間を使って4年間かけて就職指導、キャリア支援を行っています。特にアルバイトを推奨して、その経験を就職活動の強みとして活かしているとのこと。
でも、高校の先生だけでは限界があるので、就職相談のプロやサポーターに入ってもらっています。

高校入学から先のキャリアでは、高校中退したり、専門学校や大学進学に進学しても中退したり、就職しても退職してしまったり、ストレートで就職継続している人は41%と、なんと半数を切っている!中退・退職・転職というジグザグな人生な人の方が今は多いのです。
そういった場合、どこに相談するか?どこで学び直し、再就職をするか?学校というルートを一旦外れてしまうと、セーフティネットが日本ではまだまだ脆弱です。

高校生は公的な相談窓口なんて知らないし、知っても行きにくい。だから、ふらっと立ち寄ってお菓子イチゴや食べ物珈琲をつまめるスペースをつくって、そこに来た子たちと雑談していく中で、進路や生活の悩みを拾っていくのが「校内カフェ」というしくみ。
先生でない外部の人とつながるきっかけとして、大阪や神奈川で始まった手法です。
池田さんは、高校生と会話をする「雑談力スピーカー」のコツや、何をサインとして汲み取るかも伝授してくださいました。
よりみちカフェ

カフェを4回試行してみて、情報の共有や個人情報の扱いなどの課題も見えてきました。今後はカフェの運営に地域の大人もボランティアで関わってほしいと考えていると中村先生。これは市民や支援団体にとっても、定時制高校を知るチャンス。このような手法があちこちの学校に広がって、気軽に相談できる体制ができることも期待したいです。
「子どもの貧困対策」というと、学習支援や子ども食堂が注目されがちですが、高校や就労の支援も視野に入れていただけると幸いです。


同じカテゴリー(子ども・フードバンク)の記事

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
子どもの貧困シンポジウム報告「分科会 高校のキャリア支援と校内カフェ」
    コメント(0)