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2016年06月28日

NPOで安定的に働くために~NPOの財源から考える

准認定ファンドレイザーの小林です。

昨年度の愛知の東大手の会との協働事業「NPOで働く」の成果をサイトにアップしました。
NPO労働環境改善のための調査とセミナー開催事業
NPOスタッフの座談会は「NPOで働くことの価値キラキラの再発見につながって非常に面白かったです!

さて、浜松市で年間事業収入3000万円以上で、スタッフを複数雇用しているNPOを財源から分析してみました。

1)介護保険や障害者総合支援法で安定財源がある団体(53%)
2)独占的な行政の大型委託事業がある団体(17%)
3)指定管理で複数年の委託事業がある団体(13%)
4)対価性、市場性のある自主事業を持つ団体(13%)

が大半を占めています。

5)大口でない単年度委託や助成金でやりくり

しているところは、安価な給与と不安定な雇用で、「想いハート」だけで持ちこたえているところも少なくありません。(N-Pocketは2ですが、中間支援事業は5に分類。)

とかく「稼げるNPOお宝が持てはやされますが、市場性のある事業は企業がやっていることも多く、隙間を開拓して参入するのは容易ではありません。
「NPOは委託に頼らず、共助で自立を」と言われますが、1~3は税金であり、それがなければNPOの雇用も激減します。
NPOの経済的自立、ってなんなのでしょう??

助成金の多くは、新規事業でないと取りにくいので、初期や発展期のチャレンジには向いていますが、事業が定型化してきた団体にとっては資金調達は頭が痛いところ。
また、「活動はボランティアが無償でやるもの」という見方も根強く、スタッフの人件費や事務局経費に使えないものも多いのです。
多くのボランティアに支えられている事業でも、その中核にはボランティアをコーディネートする人材(事務局スタッフハチ)や、拠点(事務所家)があってこそ!なんですが…。

私はNPOでの働き方として、①他に収入源を持って無償ボラとして、②NPOスタッフと並行して働くダブルワーカーとして、③専従スタッフとして、3つの関わり方をしてきましたが、やはり仕事の内容や質は大きく違います。

若くて優秀な人材を確保するためには、せめて食べていけるだけの給与がないと雇用は難しく、最低賃金に近い状態では男性スタッフの「寿退社バイバイ(=結婚・出産を機に収入を確保できる仕事に転職)はなくなりません。
NPOが質の高い事業を持続的に行っていくためには、スタッフの雇用→財源確保は本当に大きな問題なのです。

安定財源のあるNPOは給与や待遇が企業並みになっているところもあり、「安価でもやりがいがあるからいいでしょ」「NPOはボランティアがやるもの=無償・無料」という考え方は変えていきたいと思っています。


書類の山と格闘中。

で、もう一つの収入源としての「寄付」で、現在「障がいのある人の在宅ICT支援パソコンで、目標15万円で寄付キャンペーンしています。こちらもどうぞよろしくお願いします。


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