事務局長の小林です。
2月26日は「障害のある人はどうする?福祉避難所を考える」をNimo Net(災害時にも助け合えるネットワークはままつ)と共催しました。
20名程度でこじんまり開く予定が…なんと54名の参加で、会場いっぱいでした
まずは、浜松市から福祉避難所の現状について説明。
次に、災害支援と福祉の専門家である
レスキューストックヤードの浦野愛さんから
「福祉避難所をどう活かすか」についてお話いただきました。
阪神淡路、新潟、東日本で避難所において、障害のある人たちが何に困り、福祉避難所がどう活用された/されなかったか、事例を紹介。
一口に「障害」といっても、身体だけでなく、精神や自閉症や重複など色々あって、それぞれニーズが違うし、重度であれば特別な支援も必要で、どこの福祉施設でも適切なケアが受けられるとは限りません。
大規模災害では復旧に3ヵ月~半年かかることも考えて、ふりわける場所、タイミングと、本人の希望が反映されるよう、いくつか選択肢があることが大事、との話でした。
また、災害時の福祉施設は障害のある人たちが生きるために
「事業継続」が必要であり、でも職員も被災している状態なので、
外から来たマンパワーが欠かせません。
現状では福祉避難所は全然足りないので、一般の避難所にも「福祉避難室」を設置することができます。そこで、災害ボランティアコーディネーターに福祉の知識があると、
ニーズと支援のマッチングができて支援のあり方が変わってくる。
受援力もカギ!という話でした。
また、日頃からの備えとして、地域ぐるみの防災訓練や研修会、協力関係づくり、施設同士のネットワークづくりも必要とのこと。
後半は、福祉、防災、行政、その他NPOと立場の違う人たちと意見交換。
「私が支援者」として、できそうなこと、やりたいことについて話し合いました。
イスで囲んで段ボールを乗っけてメモメモ~
まあるい段ボールなんて初めて見た人も多かったのでは?
ファシリテーターの鈴木まり子さんが持ってきたこのツール、
「えんたくん」と言って、環境教育の川嶋直さんが考案して、
三ケ日紙工が作っているもの。
全国のワークショップで使われている地場産品なんですって!
ほどよい距離感で、いろいろ意見が出ました。
ふりかえりでは、「知らなかった。もっと多くの人々と広く共有していきたい。」という意見が多かったです。
福祉関係者からは、
「どこに不便を感じるのか、課題、不安など、
きちんと伝えれば助けてくれる方々がたくさんいることを学びました。施設としても取り組んでいきたい。」
「
受援力、事業継続計画。正に直面している課題。自分達の力だけでなく、周りもまきこんだ施設防災と日常のつながりを作らなければ。」
「施設同士やボラ等の
横の繋がり、ネットワークが絶対的に必要。」
災害ボラからは、
「災害の知識がある人と要援護者について詳しい人が
互いに情報交換、学ぶ場をつくるのは大切。」
「災害時に弱者となる人がもっと情報発信しやすくすることが必要。ボランティアが
何を手伝うべきか事前に知っていれば手助けしやすくなる。」
「障害者施設で働く方も『自分の職場が福祉避難所になるの?』『何を準備すればいいの?』など戸惑っていたので、
行政は情報公開をきっちり行うべきだと思った。」
その他NPOなどからは、
「
当事者たちと接したりその声を聞き、ニーズを拾い上げまとめて形にしていく必要がある。」
「災害時に限らず
、普段から顔の見える関係作りが大切。
コーディネート力のある人材を育成して、どの避難所に行っても過ごせる環境作りが必要。」
行政の人からは、
「福祉避難所についての
広報不足を認識した。市民の皆さんや協定を結んでいる施設にも
実際の運営方法等をPRしていく必要がある。」
「行政は限られた支援しかできないので、やはり
みなさんの力が必要となるが、熱心な活動で感心した。」
といったご意見をいただきました。
今回の会議は、知るところから始める
「第一歩」。
地域の施設のことを知ったり、災害ボランティアコーディネーターとつながったり、顔の見える関係がつくれたことも大きかったと思います。今後は、この仕組みをどうやって知らせるか、どう機能させるようにするかが課題ですね。
来年度も何らかの形で、
福祉と防災がつながる場をつくっていきたいと考えています。
関係者のみなさま、ありがとうございました。
2016/02/04
「福祉避難所」って言葉ご存知ですか。障害のある人など、支援が必要な人にとってよりよい支援が受けられる避難所のはずですが、浜松市では福祉施設と行政でその協定を結んでいるものの、その中身はまだお互いに見えていない現状があります。障がいのある人にとってとっても大事な情報。例えば、通っている福祉事…