「里山のいのちのつながりを学ぼう」レポート

ぽけ子

2014年07月31日 13:12

地域と環境担当の小林です。

先日26日は、NPO法人縄文楽校さんとSave Japanプロジェクトの自然観察会を浜北区内野の田んぼで開催しました。30℃を超える暑さでしたが、老若男女が40人余り集まりました。

まずは、講師の小杉さんより、浜松・浜北の航空写真を見ながら説明。

浜松の都市部で緑地が残っているのは、崖や斜面なんですね~。
この場所もニュータウンが造成された端にあたり、残った斜面林の下にある田んぼです。

 
湧水が流れる小さな小川にはドジョウがたくさん、希少種のホトケドジョウもいました。

 

昨年のSave Japanプロジェクトにも来たKさん姉弟も参加したのですが、東神田川で捕まえたホトケドジョウをメダカと一緒に飼っていたら、次々メダカを齧ってしまい、「他の生き物を仏にしてしまう魚だった」とのこと。

頭に来たので捕まえた場所に戻してきた…という凄いオチでした。
小さくてかわいい魚かと思いきや、そんな肉食な一面があるとは…。

※生き物を放す時は、必ず捕まえた場所でリリースしてくださいね~。でないと遺伝子汚染になってしまうので。


 

オオシオカラトンボの雄たちは、田んぼの周辺で縄張りをはっていました。たまに黄色い雌も見ました。
エビの見分け方は顎とひげの具合だそうです。
エビには海まで下って戻ってくる種類と、そうでない種類があるんですね。

暑かったせいか、田んぼに水が少なかったせいか、生き物の種類が少なかったのはちょっと残念でした。



後半はお隣のKさんのお庭をお借りして、藤棚の下で「子ども会議」を開きました。
ちょうどオオタカが子育て中で、しきりに声がしていました。

先ほど観察した小川は、地元の方が年数回の草刈りなど管理をしてきたのですが、ご高齢になって難しくなり、他の地元の人たちも道路の拡張と共にコンクリート化を望んでいるとのこと。

でも、単に「もったいないから自然を残したい」とは言い切れない…。
「便利で快適」を求める住民たちの思い、管理の問題や、市の予算の問題もあり、誰が、どのようにしたら保全できるの?ということを、子どもたちと昔子どもだった大人たちが一緒に話し合いました。

コンクリートでも工法によってはホトケドジョウが棲める環境ができなくはないので、そういう工法を交渉してみては?とか、みんなで力を合わせて田んぼ側に水路を付け替えられないか?という意見も出ました。
簡単に答えが出ないからこそ、一人一人が知恵を出し、手も出し、合意を図りながら考えていかないと!

「生きものを見て面白かった」で終わらせない、「みんなで未来を考えたい」「なぜ?どうして?の共育をやって行きたい」とは縄文楽校の鈴木清子さんの言葉。
私もESD(持続可能な開発のための教育)の手法を取り入れたかったので、この自然環境は今後どうなるのか、どういう選択肢があって、どういうメリット・デメリットがあるのかを考える場が持ててよかったです。


暑い中、お疲れ様でした!

Save Japanプロジェクトの公式サイトにも報告をアップしました。

次回は9月6日に「お月見&秋の草花を楽しむ(仮題)」観察会を開く予定です。

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