エヌポケット・ぽけっとのなかみ

中間支援担当の小林です。
12月21日は「地域とつながるat円卓会議」の第三回は、「議員とNPOの円卓会議」が開かれ、5会派より5人の浜松市議、16のNPO法人20名＋オブザーバー6名が参加しました。
今回の狙いは、NPO／議員がお互いの役割を知り、NPOが議会のパートナーとして何をどうしたら良いのかを考えるというものでした。

まずは、浜松市のNPOの現状とNPOが社会で果たしている役割について、N-Pocket代表の井ノ上より報告。
次に、浜松市議7期目になる小沢明美さんより、浜松市議会の構成と議員の役割について説明。市議会の構成、常任委員会と特別委員会があること。浜松市には、大都市制度調査、新病院建設といった特別委員会もあるんですね。また、それとは別に議会改革検討会議が立ち上がり、議会基本条例の検討会も開かれているという話がありました。

続いて、静岡大学の日詰一幸先生より、地域で社会課題に取り組んでいるNPOと議会が連携することの意義についてお話があり、NPOと議会で、協働した研究会や課題解決の仕組みづくりができないか？と提案がありました。また、議会とNPOの関係の一つに、各地で作られている「議会基本条例」が市民やNPOの声を様々な形で反映させる重要なものであるという説明もありました。

NPOが地域課題から制度化を目指して動いた事例として、NPO法人六星で視覚障害のある人に関わる課題解決に頑張る斯波さんが、課題発見、調査、実例、動く、さらに新しいニーズの発見…こうした事態が循環しながら社会がより良い方向へ進むという話をしました。

後半は3グループに分かれてディスカッション。
各NPOの取り組んでいる地域課題とその障壁となっているものについて共有し、それらをどのように政策に反映させることが出来るか、議員さんと意見交換しました。
共通課題としては、既存の制度の枠組みや、行政の縦割り、行政担当者の理解のばらつきなどが上げられました。既に、ニーズを掘り起こし、事業化して、提案・提言まで取り組んでいるNPOもいくつかありました。
議員は住民ニーズや費用対効果を調べながら政策化を図るけれど、市民の声も色々あるので、その利害調整が難しいという話もありました。

最後に、日詰先生が議員立法でNPO法が作られた時に、市民と超党派の議員連盟が何度もキャッチボールを繰り返して立法に至った過程を紹介。そういった市民の声を議会に反映させる仕組みをつくるためにも、浜松市で検討が始まった議会基本条例に期待したい、と話して締めくくられました。


参加者アンケートに、「議員さんもNPOも市職員さんも企業も、地域を共に創っていく仲間だということ」と書かれていた方がいましたが、まさしくその通りですね！
議員さんの一部には、NPOがよくわからない、色々要求を突きつけられそうな圧力団体？と思われた方もいたらしいのですが、そういう「要望する／される」関係性から脱却したくて、今回の円卓会議を開いたんです。

NPOが地域のニーズを調べ、見える化し、モデル事業を立ち上げ、具体的に提示することで、議員と共に制度や施策にしていく、そういったお互いの役割を理解し、それぞれの団体の強みや専門性も見えたのではないかと思います。次は分野別でぜひ、という声も複数聞かれました。
毎回「ディスカッションの時間が短い」というご意見もあるのですが、この会議は3時間もあり、これ以上長くすると参加のハードルが高くなってしまうので…。改めてじっくり議論できる場を作るよう、考えます。

今年開催した、「NPOのCEO会議」、「社協とNPOの円卓会議」、そして今回の「議員とNPOの円卓会議」の3つの会議は、静岡県労働者福祉基金協会主催の「NPOプレゼント講座」として開催しています。
「会議」なのに「講座」？と思われるかもしれませんが、同じNPOセクター同士、また他のセクターとつながり、相互に学び合う場として、講座という枠組みに入れさせていただきました。

単体のNPOだけでは難しいことでも、複数の団体や違うセクターと協力・連携することで解決策がみつかる可能性は高まります。今後も、地域をつくるパートナーとして顔の見える関係づくりや、ゆるやかなネットワーク化を図っていきたいと思っています。

年末の連休でお忙しいところ、都合をつけて参加された議員のみなさまには感謝申し上げます。
そして、参加された団体、協力してくださった団体、関係者のみなさまも、ありがとうございました。
来年も実りある会議（講座？）を開けるよう、どうぞよろしくお願いします。